摩擦面の接触圧力が高く、潤滑油の油膜が破断するような極圧潤滑下での、潤滑油が摩擦面の焼き付きなどの損傷を防止する能力（耐荷重能）を評価します。

JIS K 2519　潤滑油耐荷重能試験方法

原理

直径が3/4インチの鋼球を用います。試料容器に三個の鋼球を固定し、潤滑油を入れます。固定球の中心に一個の回転球を押し付け、三点で接触させます。油圧により荷重を加えて、毎分750回転の速度で1分間回転させます。毎回、試験球と試料油を交換し、油圧49.0kPa(0.5kgf/cm2)ごとにこの操作を繰り返し、焼き付かない最大の荷重(合格限界荷重)を求めます。

摩擦面の接触圧力が高く、潤滑油の油膜が破断するような極圧潤滑下での、潤滑油が摩擦面の焼き付きなどの損傷を防止する能力（耐荷重能）を評価します。

JPI-5S-40-93 潤滑油の耐荷重能試験方法（シェル四球式）
ASTM D 2783 Test Method for Measurement of Extreme-Pressure Properties of Lubricating Fluids (Four-Ball Method)
ASTM D 2596 Test Method for Measurement of Extreme-Pressure Properties of Lubricating Grease (Four-Ball Method)
IP 239 Determination of extreme pressure and antiwear properties of lubricants − Four ball machine method

原理

直径が1/2インチの鋼球を用います。試料容器に三個の鋼球を固定し、潤滑油を入れます。固定球の中心に一個の回転球を押し付け、三点で接触させます。所定の荷重を加えて、毎分1760回転の速度で10秒間回転させます。毎回、試験球と試料油を交換し、荷重を増大させながら試験球が融着するまでこの操作を繰り返し、融着荷重、荷重摩耗指数を求めます。

摩擦面の接触圧力が高く、潤滑油の油膜が破断するような極圧潤滑下での、潤滑油が摩擦面の焼き付きなどの損傷を防止する能力（耐荷重能）を評価します。

JIS K 2519　潤滑油耐荷重能試験方法
JIS K 2220　グリース
ASTM D 2782 Test Method for Measurement of Extreme-Pressure Properties of Lubricating Fluids (Timken Method)
ASTM D 2509 Test Method for Measurement of Extreme-Pressure Properties of Lubricating Grease (Timken Method)
IP 240 Extreme Pressure Properties of Lubricating Fluids − Timken Method
IP 326 Extreme Pressure Properties of Grease − Timken Method

原理

固定ブロックに所定の荷重をかけ、リングに押しつけます。潤滑油を循環しながら、毎分800回転でリングを10分間回転させます。毎回、ブロックとリングを交換し、摩擦面に焼き付きを生じない最大荷重(OK荷重)を求めます。

潤滑油の油性を評価する方法として、油の摩擦係数を測定します。摩擦係数の値が小さければ油の油性効果があるといえます。日本独自の試験方法であり、試験方法は規格化されていません。

原理

振子の減衰振動を利用して、各種の潤滑油の境界油膜状態における油性を評価するための比較基準となる摩擦係数を求めます。摩擦係数の計算式はつぎのとおりです。

　　　　　　ｆ ：摩擦係数
　　　　　　ｎ ：振動回数
　　　　　　Ａ0：初期振幅
　　　　　　Ａn：各振動回数目の振れ角
　　　　　　Ｃ ：比例定数

鋼と鋼のすべり摩擦において、潤滑油が示す摩耗を防止する能力（摩耗防止性）を評価します。

JPI-5S-32-90　潤滑油の耐摩耗性試験方法

ASTM D 4172 Test Method for Wear Preventive Characteristics of Lubricating Fluid (Four-Ball Method)
ASTM D 2266 Test Method for Wear Preventive Characteristics of Lubricating Grease (Four-Ball Method)
IP 239 Determination of extreme pressure and antiwear properties of lubricants − Four ball machine method

原理

直径が1/2インチの鋼球を用います。試料容器に三個の鋼球を固定し、潤滑油を入れます。固定球の中心に一個の回転球を押し付け、三点で接触させます。所定の荷重(15, 30あるいは40kgf)を加えて、潤滑油の温度75℃において、毎分1200回転の速度で1時間回転させます。試験後、接触点に生じた摩耗こん径を測定し、摩耗防止性を評価します。

潤滑油の極圧性を評価する試験であり、油膜強度、耐荷重能、摩耗、摩擦係数等が測定できます。この試験方法はＳＡＥやＡＳＴＭなどで規格化されています。

耐荷重能試験（SAE2215、ASTM D 3233）
摩耗試験（SAE2320、ASTM D 2670）

原理

２個の静止した鋼製のＶブロックで挟まれている鋼製のピンが負荷を受けながら回転し、４本の線接触をさせることにより、潤滑油の極圧性能を測定します。

潤滑油、潤滑剤や固体潤滑皮膜の潤滑性、耐圧性を試験すると共に各種金属材料及び複合材料等の潤滑性を評価する試験機です。ATF油やCVT油、エンジン油などの評価に使用されます。

JASO M358:2005　ベルト式CVT油の金属間摩擦係数特性試験方法

原理

試験機の試料油チャンバー内にある主軸にリングを取り付け、リング上 部に接してブロックを固定します。チャンバー内に試料油を注入し、ブロ ック上部より負荷を与えてリングを回転させ、ブロックの摩耗量や得られる摩擦力から摩擦摩耗特性を評価します。