具体的な内容は以下のとおりです。



内燃機関用潤滑油酸化安定度試験装置 (Indiana Stirring Oxidation Tester)
酸化安定度

酸化安定度は石油製品の酸化に対する安定性の度合を示します。石油製品は酸化されることにより、一般には粘度が高くなったり、色が濃くなったり、さらに沈澱性の重合物(スラッジ)を生成したりします。 

潤滑油−酸化安定度試験方法(JIS K 2514)

原理

試料中に触媒及びワニス棒を浸し、165.5℃で規定時間かき混ぜ棒で試料をかき混ぜて、酸化させた後に、酸化油の動粘度と全酸価とを測定して、未酸化油と比較し、粘度比及び全酸価の増加を求めます。また、ワニス棒でラッカ−状物質又はスラッジの付着状態を調べます。


タービン油酸化安定度試験装置 (Turbine oil Oxidation Stability Test,TOST)
タービン油酸化安定度試験

タービン軸受油の酸化安定性能を評価する試験法の一つです。現在のタービン油の酸化安定性は非常に良く、試験時間が2000hr〜5000hrも必要であることが欠点ですが、実機との相関性が高い試験であると言われています。

関連規格 ISO 4263

原理

触媒および水の存在下で試料油に酸素を通じて95℃の温度で酸化させ、規定試験時間後の全酸価、またはあらかじめ定めた全酸価(2.0mgKOH/g)に達するまでの時間を求めます。


航空潤滑油腐食酸化安定度試験装置 (Corrosiveness Oxidation Stability Tester of Lubricating for Aircraft)
腐食酸化安定度

航空機などに使用される潤滑油の金属に対する腐食性を調べる試験です。潤滑油中に金属を腐食するような不純物(例えば遊離硫黄や腐食性硫黄化合物)が含まれていると、しばしば金属が冒され腐食することがあります。

航空潤滑油試験方法(JIS K 2503)

原理

試料100ml中に銅、鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金及びカドミウムめっき鋼の各試験片を浸し、空気を吹き込みながら121℃で168時間加熱後、試料の減失量、試験片の質量変化、酸化油の全酸価の増加及び動粘度変化を求めます。


回転ボンベ式酸化安定度試験装置 (Rotating Bomb Oxidation Tester)
回転ボンベ式酸化安定度

この方法は、主に潤滑油の基油やタ−ビン油などの酸化安定度を評価する迅速法です。製品の品質管理や使用中の油の残存寿命の推定などに用いられます。

潤滑油−酸化安定度試験方法(JIS K 2514)

原理

試料、水及び銅触媒コイルを入れたふた付き試験容器を、圧力計を備えたボンベの中に入れ、酸素を620kPaまで圧入し、150℃の恒温槽に入れます。ボンベを30°の角度に保持しながら毎分100回転で回転させ、圧力が最高になったときから175kPaの圧力降下するまでの時間を求めます。


パネルコーキング試験装置 (Panel Coking Tester)
パネルコーキング試験

油は高温の面と接触すると、固形分解生成物(coke)を生成します。その傾向を測定するものです。

Fed. Test Method Std. 791-3462

原理

規定温度に加熱したアルミニウムパネルに試料油をスプラッシャーで規定時間はねかけ、試験前後のパネルの重量増加から油の炭化の傾向を評価する試験です。主にエンジン油の耐熱性、清浄性の評価に用いられます。


ギヤー油熱酸化安定度試験装置(CRC L-60) (Thermal Oxidation Stability of Gear Lubricants)
酸化安定性

ギヤー油の熱酸化安定性能は、試験後の全酸価、100℃動粘度の増加率、n−ペンタン不溶分及びトルエン不溶分を測定することにより評価します。

FS 791B−2504
DSP K 2248 附属書 4 ギヤー油熱酸化安定度試験方法

原理

試験装置は、トランスミッションギヤーと同材質の試験用平歯車一対、試験ベアリング及び銅触媒とからなるギヤーケース部、内部油温を制御する加熱送風機、酸化促進のための乾燥空気供給装置及び負荷装置としてのゼネレータ等からなっています。これらの装置を用い、ギヤーケース内に供試油 120ml を入れ、1725±25rpm、163±1℃で50 時間運転します。


グリース酸化安定度試験装置 (Grease Oxidation Stability Tester)
酸化安定度

グリースの酸化安定性能は、静的状態での寿命を評価するものですが、動的状態での使用のめやすにもなります。ただし、軸受などではその他の要因が複雑に影響するので注意が必要です。

グリース(JIS K 2220)
Oxidation Stability of Lubricating Greases by the Oxygen Bomb Method (ASTM D942)

原理

試料を酸素圧0.76MPaのボンベ中で99℃に加熱し、一定時間毎に圧力降下を記録して100時間後の酸素圧の減少を測定します。


グリース混和安定度試験装置 (Grease Oxidation Stability Tester)
混和安定度

グリースの混和安定度は、せん断によって増ちょう剤の構造が破壊され、軟化等の不可逆的な変化を起こす程度を示すものです。

グリース(JIS K 2220)

原理

試料を規定の混和器により10万回混和して、25℃に保持した後、更に60回混和してちょう度を測定します。


超音波せん断安定度試験装置 (Super Sonic Shear Stability Test Apparatus)
超音波せん断安定度

エンジン油やギヤ油などのポリマー化合物が添加されている油では、使用中に高いせん断力を受けて粘度低下をおこす場合があり、超音波の照射によって変化した粘度低下率からせん断安定度を評価します。

潤滑油せん断安定度試験方法(JPI-5S-29-88)

原理

試験の準備として超音波発振器の出力を調整するため、標準油を用いて40℃における粘度低下率と出力設定との関係を調べ、粘度低下率が15%になる出力指示電圧を決めます。この出力指示電圧の条件下で、試料30mlについて規定の時間の超音波照射を行い、照射前後の試料油の40℃及び100℃における動粘度を測定して粘度低下率を算出します。


ホットチュ−ブ試験装置 (Hot Tube Tester)
コ−キング

パネルコ−キング試験と同様に潤滑油(特にエンジン油)の清浄分散性を評価する項目であり、カ−ボン等のデポジットが生成する度合を調べます。日本独自の試験方法であり、JPI法として規格化されております。

エンジン油−ホットチュ−ブ試験方法(JPI-5S-55-99)

原理

試料を試料容器(注射器)に採取し、加熱炉で310℃に加熱されたテストチュ−ブ(ガラス製)内へ試料を0.31ml/Hrの量で、圧縮空気とともに下方より16時間送り込みます。試料は高温のテストチュ−ブ内壁を濡らしながら上方へ排出され、この間にデポジットを生成します。試験前後にテストチュ−ブの質量を測定し、その差からデポジットの生成量を算出します。




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