具体的な内容は以下のとおりです。



SAE No.2試験装置 (SAE No.2 Friction Property Apparatus)
SAE No.2試験

規定温度の供試油中でフリクッションプレートとスチールプレートを摩擦結合させて、プレート回転数に応じた各種摩擦係数及び制動時間を測定して供試油の摩擦特性を評価します。

JASO M 348-95
JASO T 904-98

原理

試験は回転質量を供試摩擦要素での制動過程評価を行う「動摩擦試験」と、供試摩擦要素を微低速で滑らせて静摩擦特性を測定する「静摩擦試験」からなり、動摩擦係数値μd、μo、制動時間t、静摩擦係数値μt、μsを測定して標準油の評価結果との相対比較によって行われます。


低速滑り摩擦試験装置LVFA (Low Velocity Friction Apparatus)
低速滑り摩擦試験(LVFA)

一定条件で長時間スリップさせる耐久試験と、油温・回転数など条件を変えながら行う性能試験により構成され、摩擦係数/滑り速度から供試油、摩擦材の性能劣化を測定し、その寿命を判定します。

JASO M 349-2001

原理

規定のフリクッションプレートを使用してならしを行った後、一定の油温、油圧下において規定された滑り速度での摩擦係数を測定します。滑り速度と摩擦係数の関係から初期シャダー防止性能の良否を判定します。さらに、所定の耐久試験を繰り返した後の滑り速度と摩擦係数の関係からシャダー防止寿命を判定します。


フェログラフアナライザ (Felography Analyther)


定量フェログラフアナライザ


分析フェログラフアナライザ

フェログラフアナライザ

使用潤滑油剤に含まれる摩耗金属粉等を、強力な磁石の作用で分離配列させ、その量を測定する定量フェログラフと、摩耗粉を二色顕微鏡を用いて観察し、その形態を分類する分析フェログラフがあります。分析フェログラフでは機械の摩耗状態および潤滑状態を把握することができます。分析に必要な試料油は1ml程度のわずかな量で分析が可能です。

原理

使用潤滑油剤に含まれる鉄、ニッケルなどの強磁性体は磁石の作用で分離されますが、その他の機械の摺動部品を構成する銅、鉛、ホワイトメタルなどの非鉄金属類も、磁石の作用で分離配列した鉄、ニッケルなどの粒子の脇に残るのでほとんどの金属が分析対象となります。


ハイアック/ロイコ自動微粒子計測器 (HIAC/ROYCO Particle Counter - Particulate Contamination Analysis)
ハイアック/ロイコ自動微粒子計測器

油圧作動油等に混入してくる5〜100μm程度の固体汚染粒子について、その粒子径と粒子数を測定することができます。粒子径と粒子数を定期的に測定することにより油圧機器等の保守管理に有効に役立てることができます。

作動油−計数法による微粒子測定方法
(JIS B 9930)等

原理

レーザーダイオードのレーザー光が照射した検出部に固体汚染粒子が通過すると、固体汚染粒子によってレーザー光が遮断されて、フォトディテクターの受光量が減少するのを利用して、その変化を粒子の大きさに比例したパルスに変換し粒子径と粒子数を測定します。


流通式高圧連続水添装置
高圧連続水添

潤滑油留分などを水素精製するために触媒を固定床反応管につめて水素高圧下で脱硫精製を行います。

原理

潤滑油留分などを水素精製するためにNi-Mo、Co-Moなどの触媒を固定床反応管につめて水素高圧下で脱硫、脱窒素などの精製を行います。


ギヤー油さび止め性能試験装置(CRC L-33) (Corrosion Protection by Gear Lubricants in The Presence of Moisture)
さび止め性能

ギヤー油のさび止め性能は、試験後の後車軸のカバープレート内部に発生するさびの程度を評価することにより判定します。

FS 791B-5326.1
ギヤー油さび止め性能試験方法
(DSP K 2248附属書 3)等

原理

圧力逃がし弁を備えた後車軸(リアアクスル)、回転を制御するモーター、回転計、油温制御用ランプ及び冷却ファンおよび加熱装置付きの貯蔵室からなります。これらの装置を用い、リアアクスル内に規定量の供試油及び3%の精製水を入れ、82±1℃、2500±25rpmで4時間運転し、その後52±1℃で162時間貯蔵する。


タービン油さび止め性能試験装置(Turbine Oil Rust-Preventing Characteristics Test Apparatus)
タービン油さび止め性能試験

タービン油に蒸留水または海水が混入した場合の鉄部に対するさび止め性能を評価します。

タービン油さび止め性能試験(JIS K 2510)

原理

試料300mlと蒸留水または人工海水30mlを加え、鋼製丸棒の試験片を浸し、試験温度60℃、1000r/minでかき混ぜて規定時間した後、試験片に現れるさびの有無を調べます。試験は同一試料に対し、2個の試験片一組について行います。試験結果でさびがある場合は、軽微、中度及び高度の別で評価します。


塩水噴霧試験機 (Neutral Salt Spray Tester)
さび止め性能

金属材料に対する油のさび止め性能を評価する試験です。特にさび止め油の性能評価として重要な要件となっています。

さび止め油(JIS K 2246)

原理

試料で被覆した試験片(JISで規定された材質の鋼)を、雰囲気温度35℃において、塩水を噴霧した装置内に規定時間保持し、その後試験片のさびの発生度合を調べます。


湿潤試験機 (Humidity Cabinet Tester)
さび止め性能

塩水噴霧試験方法と同様に、金属材料に対する油のさび止め性能を評価する試験です。特にさび止め油の性能評価として重要な要件となっています。

さび止め油(JIS K 2246)

原理

試料を被覆した試験片(JISで規定された材質の鋼)を、雰囲気温度49℃、相対湿度95%以上の装置に規定時間保持し、その後試験片のさびの発生度合を調べます。


耐候性試験装置 (Artificial Accelerated Weather Ability Test Apparatus)
耐候性試験

潤滑油が屋外に暴露された時の変化について、紫外線や降雨などの条件を人工的につくりだした条件下での潤滑油の耐候性を評価します。

さび止め油(JIS K 2246)

原理

試料で被覆した試験片を人工的に気象条件が再現できる装置内で、規定時間試験した後さびの発生状況を調べます。
紫外線はカーボン電極によるアーク放電によって発生させます。
JIS K 2246に規定される、さび止め油の耐候性試験では、アーク放電下、2.1L/minの水を60分中12分間噴霧し、600時間の試験時間で評価します。


絶縁破壊電圧試験装置 (Dielectric Breakdown Voltage Test Apparatus)
絶縁破壊電圧

定められた方法で絶縁材料に電圧を加えたとき、絶縁破壊が生じる電圧をいいます。電気絶縁油の性能を評価する試験として重要な要件となっています。

電気絶縁油(JIS C 2320)

原理

電極間ギャップを2.5mmに調整した直径12.5mmの相対する球電極を使い、毎秒約3kVの割合で電圧を上昇させ、試料油の商用周波数における絶縁破壊電圧を測定します。


グリース漏洩度試験器 (Greases Leakage Tendencies Test Apparatus)
グリース漏洩度試験

ホイールベアリングにおいて温度が上昇したとき、軸受でのせん断やグリースの構造変化等によりグリースが軟化流出するのにどれだけ耐えられるかを試験します。

グリース(JIS K 2220)
Leakage Tendencies of Automotive Wheel Bearing Greases (ASTM D1263)

原理

試験機のホイールハブおよび軸受にそれぞれ規定量の試料を充填し、規定の条件で温度を上昇させながら104℃、660rpmにて6h回転させた後、漏洩した試料の質量を0.1gの単位まで測定します。各部の合計質量を漏洩度とします。


高圧雰囲気摩擦試験機
高圧雰囲気摩擦試験

高圧雰囲気下での摩擦特性を測定し、潤滑油の耐摩擦性能を評価します。

グリース(JIS K 2220)
Leakage Tendencies of Automotive Wheel Bearing Greases (ASTM D1263)

原理

冷凍機コンプレッサーでの潤滑油の性能を、フロンガスの高圧雰囲気下で冷凍機油の潤滑性能を評価します。


ケミルミネッセンスアナライザー (Chemiluminesence Analyzer)
ケミルミネッセンス

潤滑油の酸化劣化で生成する過酸化物が分解するときに化学発光が起こるので、酸化安定性能の評価や酸化劣化度を検出します。

原理

潤滑油の酸化劣化で生成する過酸化物が分解するときに励起カルボニルが生成し、励起状態から基底状態へのエネルギー遷移過程で化学発光が起こる。これを利用して酸化安定性能の評価や酸化劣化度を検出します。





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